平成8年度 教材の工夫と授業の改善
微小生物の培養・観察法
前ページ |
目 次 |
次ページ
2 観察・実験
4)各種培養液の組成
これまでに出てきた培養関連の資料を以下に示す。
ドリル氏液の組成(ゾウリムシ培養用塩溶液)
試薬名 | Working sol. | Stock sol. | /liter | /2 liter |
クエン酸ナトリウム#1 | 2.0 mM | 100 mM | 29.4 g | 58.8 g |
リン酸一ナトリウム#2 | 0.6 mM | 30 mM | 4.7 g | 9.4 g |
リン酸二ナトリウム(12水塩)#3 | 1.4 mM | 70 mM | 25.1 g | 50.1 g |
CaCl2 | 1.5 mM | 200 mM | | |
#1: くえん酸三ナトリウム 二水和物(C6H5Na3O7・2H2O = 294.10)
#2: りん酸二水素ナトリウム 二水和物(NaH2PO4・2H2O = 156.01)
#3: りん酸水素二ナトリウム・12水(Na2HPO4・12H2O = 358.14)
CaCl2は別に滅菌し,下記の割合で加える。
12 ml -> 1600 ml培養液
6 ml -> 800 ml培養液
3 ml -> 400 ml培養液
KCM x100倍原液 (アメーバ培養用塩溶液)
試薬名 | / liter | / 2 liter |
KCl | 0.8 g | 1.6 g |
CaCl2・2H2O | 1.3 g | 2.6 g |
MgSO4・7H2O | 2.5 g | 5.0 g |
PPYG培養液(一部改変) (テトラヒメナの培養液)
試薬名 | / 1 liter |
Proteose peptone(プロテオースペプトン;粉末) | 2〜4 g |
Yeast extracts(酵母抽出液;粉末) | 2 g |
Glucose(ブドウ糖) | 10 g |
NaOHでpH7.0付近に調整した後,適量を培養器へ入れて滅菌する。
これは茨城大学の菅井氏が考案したもので,通常のPPYG培養液のポリペプトンとグルコースの組成比を逆転させている。こうすると,細胞密度も高くなるし,何よりも定常期に達してからかなり時間が経過しても細胞がダメージを受けにくいという長所がある。
酵母エキス+酢酸ナトリウム培養液
(クロロゴニウム,ミドリムシ等の無菌培養用)
試薬名 | / 1 liter |
Yeast extract | 4g |
Sodium acetate | 1g |
脱イオン水(または蒸留水) | 1000ml |
NaOHでpH 6.8-7.0に調整した後,滅菌。
光をあてておけば室温でも2〜3月は維持できる。
以下は,ゾウリムシなどを培養する際に餌として用いるバクテリア(Klebsiella pneumoniae)を培養するための培地である。通常は,L-brothを用いるが,Klebsiella は大腸菌などと同様に最小培地(養分がブドウ糖と無機塩類だけの培地)でも十分に生育可能である。
L broth (バクテリアの培養液)
試薬名 | / 1 liter |
トリプトン | 10.0 g |
NaCl | 5.0 g |
Yeast Extract | 5.0 g |
D.W.(蒸留水) or 脱イオン水 | 1000 ml |
Davisの最小培地 (バクテリアの培養液)
試薬名 | / 1 liter |
K2HPO4 | 7.0 g |
KH2PO4 | 2.0 g |
MgSO4 | 0.1 g |
(NH4)2SO4 | 1.0 g |
クエン酸ナトリウム | 0.5 g |
糖 | 2.0 g |
D.W.(蒸留水) or 脱イオン水 | 1000 ml |
糖は,20g/100ml を別に滅菌 10 mlを後で加える
前ページ |
目 次 |
次ページ
Copyright
原生生物情報サーバ