平成8年度 教材の工夫と授業の改善
微小生物の培養・観察法

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2 観察・実験

3)その他の原生生物

スピロストマム Spirostomum intermedium
 長さ1mm程の大きな繊毛虫。刺激により収縮する。細胞内にある大核は複数個が数珠状に列なっている。米粒にミズカビが生えた状態で培養するのがベスト。カビの菌糸にからまりながら生活している。 → くわしくは ここをご覧ください。

ユープロテス Euplotes patella
 下毛類の繊毛虫。繊毛が束になって足や触角など様々な機能をもったものに分化している。多くは他の原生生物を捕食して生活するが,バクテリアを食べるものもいる。E. patella はクロロゴニウム(緑藻類の一種)やテトラヒメナなどを餌にして培養する。 → くわしくは ここをご覧ください。


スピロストマム

ユープローテス


ブレファリスマ Blepharisma japonicum
 細胞内に赤色色素をもつ大型繊毛虫。雑食性でバクテリアも食べるが,ときには仲間の細胞を食べる(共食い)こともある。フェロモンを分泌して有性生殖(接合)をする。 → くわしくは ここをご覧ください。

コレプス Coleps sp.)
 樽型をした繊毛虫。主に藻類(緑藻類,珪藻など)を捕食するが,一部は,テトラヒメナなど他の 繊毛虫を捕食するものもいる。 → くわしくは ここをご覧ください。


ブレファリスマ

コレプス

テトラヒメナ

ミドリムシ


テトラヒメナ Tetrahymena thermophila
 研究材料として有名。無菌培養が簡単にできるため様々な研究に使用されている。かつては生化学等がさかんだったが,近年は分子遺伝学,分子生物学分野で華々しい研究成果を上げている。その代表がリボザイム(Ribozyme)。RNAにも(自己)触媒活性があったことがテトラヒメナで最初に発見された(発見者のチェック博士はこれでノーベル化学賞を受賞)。その後は,染色体の末端部(テロメア)の研究でも話題になっている。寿命やガンとの関連が指摘されている。 → くわしくはここをご覧ください。

ミドリムシ Euglena gracilis
 よく知られた鞭毛虫(鞭毛藻)の代表。動物のようでもあり植物のようでもあるとして話題にされるが,正しくは,そのどちらでもない。酵母エキスと酢酸ナトリウムという簡単な組成の培地(後述)で無菌培養ができる。 → くわしくは ここをご覧ください。






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