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2013.11.01, Part XI

赤池

高山線の線路沿いを東へ進む,左側の岸壁の様子(七宗町),10:57
1枚目:やや上の岸壁。 2枚目:カメラをそのまま下へ向けて撮影。 著しく褶曲している。

前方で崖の間にかかる橋を渡る(七宗町),10:57-10:58

崖の間にかかる橋を渡る(七宗町),10:58

上を同じ位置で前方に見える落石防護柵を望遠撮影(七宗町),10:58
六本松踏切と清水踏切の間にある落石防止片開きトンネルと同様, あそこでも塗装工事が行われているようだ?

途中に寺院のような建物がある(七宗町),11:00
1枚目:道路際の看板には 「□□□□□□赤池千手観音,やみあけの水,晃徳院」と書かれている。 調べてみたが,情報がみつからない。

赤池へ(七宗町),11:00
1枚目:右が上記の「やみあけの水」へ上がっていく入口のようだ。 2枚目:前方の落石防止柵の周囲にはヘルメット姿の人が数名いる。

落石防護柵の手前で道路はふたたび線路と交差していた(七宗町),11:01

踏切の先に赤池弁財天の方向を示す案内板があった(七宗町),11:01

赤池龍神・赤池弁財天は右へ(七宗町),11:01
「赤池龍神」は「赤池に龍神伝説がある」,ということのようだ。

右は急な階段だった(七宗町),11:02

急な階段を降りる(七宗町),11:02

急な階段を降りる(七宗町),11:05
1枚目:途中から各ステップに大量の落ち葉が積もっていた。 このままだといずれステップが落ち葉で埋もれてしまうだろう(すでに半分そうなっている)。 足の置場がわからなくなるし,滑りやすくなるので非常に危険だ。 2枚目:ということで,途中から靴で落ち葉(とその下に出来つつある土壌)を階段脇へ落としながら降りた。 そのため,降りるのにやや時間がかかった。

赤池が見えた(七宗町),11:08

階段を降りた所で赤池をパノラマ撮影(七宗町),11:08-11:09
2枚目:この時は気づかなかったが,前方の切り立った岩山の上に鳥居が見える。 あそこが赤池弁財天だ。
周囲の広場(池の西側)の草はきれいに刈り払われている。

赤池を西側からパノラマ撮影(七宗町),11:09
1,2枚目:この辺は水際の傾斜がややきつい。 4枚目:奥(南西側)は水際が平坦で近付きやすい。あの辺で採集することにした。

赤池(七宗町),11:12
ここで採集(赤池-01)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas sp.), トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), エントシフォン(Entosiphon), ストリアメーバ(Striamoeba), Lesquereusia, ヘレオペラ(Heleopera), スフェノデリア(Sphenoderia), レマネラ(Remanella), ユープロテス(Euplotes), ディセマトストマ(Disematostoma minor), 未同定の繊毛虫, サヤツナギ(Dinobryon sertularia), 珪藻各種, Quadrigula, ヒザオリ(Mougeotia), コウガイチリモ( Pleurotaenium ehrenbergii), ミカヅキモ( Closterium dianae)多数, ツヅミモ( Cosmarium obsoletumC. turgidumCosmarium sp.), ホシガタモ( Staurastrum forficulatumS. sexangulare), トゲツヅミモ(Xanthidium antilopaeum), アワセオオギ(Micrasterias truncata), チリモ(Desmidium swartzii), ユレモ(Oscillatoria sp.), ワムシ, ミジンコ, イタチムシ, センチュウ, クマムシ,

赤池(七宗町),11:12-11:13
1,2枚目:採集場所のすぐ近くになにやら緑色のゼリー状のものがたくさんあるのに気づいた。 3枚目:それを手にとってみたが,弾力があり結構しっかりしている。 最初は Nostoc が作るコロニー(イシクラゲ)かと思ったが, よく見ると緑色をしているのはゼリーの表面だけで,内部は透明だ。 Nostocとは逆だ。 もしかすると,ということでより近くで観察するために,サンプリングチューブに入れて覗くことにした。

赤池,緑色のゼりーの正体は?(七宗町),11:14
1枚目:ゼリーの一部をチューブに入れた (赤池-02)。 2,3枚目:カメラをマクロモードに切り替えて撮影。 3枚目:ゼリーの表面に緑色の粒々が均一に配置されている。 緑色の粒々は横からみるとやや細長い。
どうやら 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium) の群体のようだ(この日の夕方,大学へ戻って顕微鏡で確認した,後出)。 オフリディウムの群体は,これまで高地にある湿原の池塘で何度か見かけている(下段)。 しかし,標高の低い(赤池は標高約140m)場所でオフリディウムの群体を見たのはここが初めてだ。
観察された生物: メソディニウム(Mesodinium), ラッパムシ(Stentor muelleri), 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium), ヒザオリ2種(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium dianae), ツヅミモ( Cosmarium obsoletumC. turgidum), ホシガタモ( Staurastrum forficulatumS. sexangulare), メリスモペディア(Merismopedia), クリプトモナス(Cryptomonas sp.), ワムシ, イタチムシ,


月山 弥陀ヶ原 (標高 約1440〜1470m)で観察したオフリディウムの群体
1枚目:2009年08月の様子(2009.08.26,10:46撮影)。
2枚目:2009年08月の様子(2009.08.26,10:58撮影)。

八幡沼湿原 (標高 1560m,八幡平)で観察したオフリディウムの群体
1〜4枚目:2010.10.02,12:52-12:53撮影。

三ッ石湿原 (標高 1466m,八幡平)で観察したオフリディウムの群体
1〜3枚目:2008.8.13,11:18撮影。

共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium) じたいは,上の三ケ所以外に
観音沼(福島県下郷町,標高約890 m), 唐花見湿原(長野県,標高945 m), 渋池(長野県 志賀高原,標高1800m), 田ノ原湿原(長野県 志賀高原,標高 1610m), 牛留池(長野県 乗鞍高原,標高 1580m), 葦毛湿原(愛知県豊橋市,標高 約60〜70m), 樫原湿原(佐賀県唐津市,標高 約590m), などでも観察している。 ただし,肉眼で識別可能なコロニーがあったのは,これまでは上記の三ケ所だけ。 よって,ここが四ケ所目になる。

Part XII: 赤池弁財天(赤池龍神辨財天)
2013.11.01, 11:15 - 11:23