田代平を北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:29
右の池塘での採集を終えてふたたび歩き出す。
田代平を北西→北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:29
1〜3枚目:すぐ先で木道はやや右に折れる。これで向きが北西から元の北北西に戻る。
木道の西(ないし南)側には池塘が点在する。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:29
右に折れてすぐ,木道脇に赤く錆びた鉄柱が横たわっていた。
鉄板のようなものもあるので,おそらくかつてこの辺に設置されていた鉄製の道標だろう。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:31
1〜3枚目:パノラマ撮影。ほどなく木道の右側に,この田代平でもっとも大きな池塘が現れた。
これは国土地理院の地図にも描かれているし,田代平を写した写真にはよく登場する場所だ。
逆にいうと,ここ以外に目立った池塘がない,ということも意味するのだろう(注1)。
木道近くはかなり裸地化している。
新しい草も生えつつあるようだが,ここは木道と池塘が離れ過ぎているのが災いしているように思う。
なぜなら,写真撮影などのためにどうしても近付きたくなるからだ。
木道の位置をもう少し池塘に近い場所に移動させれば踏み荒らしが減るのではないだろうか・・・(注2)。
注1:後出するが,田代平山荘の手前にも大きな池塘がある。
どちらも踏み荒らされて周囲は裸地化している。
注2:この後撮影するが,この池塘手前の荒れ地は,この先で湿原の南南東に向って伸びている。
かつてはこの池塘近くから,さきほど降りてきた階段付近までほぼ直線状に踏跡が続いていたようだ。
湿原の回復をはかるために,あえて旧来の踏み跡とは違う位置に木道を設置したものと思われる。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:31
1〜3枚目:さらに近付いて,再度,パノラマ撮影。
上述のように,木道から池塘まではやや距離があり,カップ付き指示棒を使っても水面には届きそうにない。
裸地化した場所に足を降ろせば採集可能になるが,その一歩が湿原の回復を遅らせることになると思うと,躊躇せざるをえなかった。
問題はこの先にも池塘があるか否かだ。
もし他にあれば,あえてここで採集しなくてもよいが,なければ,ここが最後のチャンス(注)。
というか,まだ田代平ではさきほどの池塘,一ケ所でしか採集していないので,できれば後もう一ケ所くらいは採集したかった。
そこで,とりあえず湿原の北西端まで行って,他に池塘があるか否かを確認してみることにした。
注:この時はそう思ったが,田代平分岐の東側にも池塘があることを後で知った。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:32
まずは先へ進んでみることにした,荒れた場所が続く。
ここも荒れた旧登山道を避けて脇に木道が敷設されている。
この辺はゆるい登り。この先に1240m弱の小ピークがあり,そこを過ぎるとふたたび下りに変わる。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:33
左に干上がりつつある池塘があった,遠いので採集は無理。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:34
ピントが合わなかったが,花が終ったイワカガミ(Scizocodon soldanelloides)?
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:34
前方に笹薮が現れた。
あの薮の先からは下ったので,おそらくこの辺が1240m弱の小ピークだろう。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:34-10:35
1枚目:シャクナゲ()の仲間と,
2,3枚目:これはハイマツ(Pinus pumila)の雄花,らしい。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:35
潅木地帯を抜けると,ふたたび湿原が現れた。
どうやらこの辺が湿原の北東端付近らしい。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:36
前方にふたたび潅木地帯(というか背の低い樹林帯)が現れたので,写真撮影をしようとしていると,
前方から4,5人の登山グループが現れ,こちらに向って近付いてきた。
先頭の女性にこの先に湿原があるか尋ねたところ,「ない」とのこと。
田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:36-10:37
1枚目:確認のために,とりあえず湿原の末端まで歩いてみることにした。
2枚目:これは干上がった池塘,かも。
田代平,木道はここまで,ここでUターン(仙北市田沢湖田沢),10:37
ほどなく木道が途切れた。すぐ先で登山道は左にカーブしている。
国土地理院の地図によれば,この辺の標高は1200m,ないし,1190mのはず。
ただし,地図にある登山道の位置が正確とはかぎらないので,おおよそ1200mくらいとしておいた方が無難かも。
田代平を南南東へ(仙北市田沢湖田沢),10:40
元来た道を辿り南へ歩く。左前方に見えるのが乳頭山?
田代平を南南東へ(仙北市田沢湖田沢),10:42
さきほどの一番大きな池塘まで戻った。
さてどうするか?
田代平を南南東へ(仙北市田沢湖田沢),10:42-10:43
1〜3枚目:池塘を再度,パノラマ撮影。
結局,この周辺では池塘はここしかない。まだ1ポイントでしか採集できていないので,
やむなくここで,裸地化した場所に足を降ろして採集することにした。
3枚目:ここからだと,この池塘脇から前方にあるワタスゲ地帯に向ってかつての踏跡が続いているのがわかる。
田代平を南南東へ(仙北市田沢湖田沢),10:43
カップ付き指示棒を使って採集(田代平で一番大きな池塘?)。
クロレラを共生させたラッパムシ
(Stentor pyriformis)
が大量にいた。
このラッパムシはこれまでに何度か培養にチャレンジしているがことごとく失敗している。
他の(共生藻を持たない)ラッパムシ同様,クロロゴニウム等を餌にして増やそうとしたが,多少は分裂するものの途中で皆死んでしまう。
もしかすると,すでに完全に植物化しているのではないかと,現在は光だけで培養を試みている。
観察された生物:
ミドリムシ(Euglena mutabilis),
ナベカムリ(Arcella sp.),
ディフルギア(
Difflugia),
トリネマ(Trinema sp.),
ディアフォロドン(Diaphoropodon),
共生藻を持つラッパムシ(Stentor pyriformis),
小型繊毛虫数種,
サヤツナギ(Dinobryon sertularia),
Chlorobotrys,
珪藻各種,
クラミドモナス(Chlamydomonas sp.),
イカダモ(Scenedesmus),
アステロコッカス(Asterococcus sp.),
オーキスチス(Oocystis),
ボツリオコッカス(
Botryococcus braunii),
サヤミドロ(Oedogonium),
ブルボケーテ(Bulbochaete),
グロエオチロプシス(Gloeotilopsis),
カメガシラモ(Tetmemorus laevis),
ウネリマクラ(Docidium undulatum),
ミカヅキモ(Closterium abruptum),
ツヅミモ(
Cosmarium oblongum ?,
C. quadrifarium),
Cosmarium sp.),
ホシガタモ(
Staurastrum hystrix),
イボマタモ(
Euastrum ampullaceum,
E. cuneatum,
E. humerosum,
E. sinuosum),
ハタヒモ(
Netrium digitus),
Netrium sp.,小さい),
タテブエモ(Penium polymorphum),
フタボシモ(Cylindrocystis),
クロオコッカス(
Chroococcus pallidus,
C. turgidus),
シネココッカス(Synechococcus),
Rhabdoderma lineare,
メリスモペディア(Merismopedia),
ワムシ,
センチュウ,
クマムシ,
イタチムシ,
田代平を南南東へ(仙北市田沢湖田沢),10:45
1〜4枚目:池塘を過ぎた後,北〜東〜南にカメラを振りつつ,かつての踏跡を撮影。
Part VII: | 田代平(3)〜田代平山荘 2009.06.28, 10:45 - 11:04 |