擬足、偽足、虚足。原形質流動によって一時的形成される細胞体の突出部。 様々な生物にみられるが、とくに肉質虫 では仮足の種類が分類の基準(標徴)として重視される。
細胞全体が1本の仮足として機能する場合を単仮足型、ひとつの細胞から複数の仮足ができる 場合を多仮足型という。仮足の種類は通常以下のように分けられるが、その区別はかならずしも明瞭ではない。
1:葉状仮足(指状仮足)軸糸はない。内外質からなり、分岐することはあるが吻合はしない。 → 葉状仮足類 2:糸状仮足
ミクロフィラメント性の軸糸をもち、軸糸に沿って対向流れがある。細長い。 → 糸状仮足類 3:顆粒性網状仮足(根状仮足)
ミクロフィラメント性の軸糸をもち、軸糸に沿って対向流れがある。 糸状仮足に似ているが、大きな顆粒を含み、分岐・吻合して網状となる。 → 顆粒状仮足類 4:有軸仮足
微小管性の軸糸をもち、軸糸に沿って対向流れがある。針状。 顆粒もあるが、分岐・吻合はしない。 → 有軸仮足類 5:粘液状仮足(菌状仮足)
粘菌の変形体がもつ多管性の網状仮足。多数の内質顆粒をともなう脈流がある。 → 変形菌(粘菌)