鳥子平の手前で木道は二股に分かれている,今回も右へ(福島市),11:27
鳥子平に到着(福島市),11:27
池塘が干上がっているのでは,と心配だったが,ここにはしっかり水があった。
前回より若干水位が下がったか?という程度。
2015年10月の様子(2015.10.10,12:52撮影)。
2009年06月の様子(2009.06.14,12:51撮影)。
鳥子平(福島市),11:27
木道の周囲では色々な植物が。
1枚目:
コバイケイソウ(Veratrum stamineum,ユリ科 シュロソウ属)
は花が咲いた気配はない。
昨年訪れた際は,景場平に実をつけたコバイケイソウがたくさんあった。
コバイケイソウは隔年開花なので,今年は開花しないのだろう。
2枚目:数は少なめだが果穂になったばかりの
ワタスゲ(Eriophorum vaginatum,カヤツリグサ科 ワタスゲ属)
。
3枚目:
チングルマ(Geum pentapetalum,バラ科 ダイコンソウ属)
もわずかだが咲いていた。
2015年10月の様子(2015.10.10,11:59撮影)。
鳥子平(福島市),11:28
北へ向う木道の途中に1ケ所だけ池塘に近付ける場所がある。
2015年10月の様子(2015.10.10,12:52撮影)。
鳥子平(福島市),11:28
1枚目:その手前で池塘を撮影。
2枚目:望遠撮影。
薄茶色の水底に,緑色のつぶつぶが多数あるのが見える。
これらは
共生藻を持つラッパムシ(Stentor pyriformis)
だ。広々した池塘の水底全体を覆っているので,ものすごい数だ。
私は今,この Stentor pyriformis について研究しているのだが,
最近になってこのラッパムシの培養に成功した。
100年前から知られている種類だが,私が知る限り,これまで誰も培養できていなかったはず。
私も,6年ほど前から培養を試みてきたが,一昨年まではことごとく失敗してきた。
そして,やっと昨年から培養できるようになったのだが,その条件からすると,ここの導電率は非常に低いはずだ。
その予想を確かめるのが,今回ここを訪れた最大の理由だ。
鳥子平(福島市),11:29-11:30
1枚目:池塘の一端に近付ける場所で,,,
2枚目:まずは
採集(鳥子平)。
鳥子平(福島市),11:32
1枚目:近いといっても池塘に直接,導電率の測定器を差し入れられるほどは近くない。そこで,
2枚目:新しく作り直したカップ付き指示棒(注)を使って水を採取。
これに測定器を浸して導電率,pHを測ることにした。
鳥子平(福島市),11:33, 11:34, 11:35, 11:36
1,2枚目:導電率は,,,なんと! 8 μS/cm(21.5℃)だった。
これは今まで色々な場所で測定した中で一番低い値だ。
瀬戸市にある
海上の森の湿地(とその周辺)は 15〜20 μS/cm
で非常に低いと思っていたが,
ここはその半分以下だ。現在は水が干上がっているので,導電率は高めになっているはずで,
もし,雨が降って水位が最初(2009.06.14)の時のようにギリギリまで上昇していれば,もっと低い値を示しただろう(注)。
これは予想通り,というか,予想以上に低かった。
2枚目:今回は最近購入したpH測定器も持参した。
ちょっとゆすると数値がふらつくが,おおよそ 4.6〜4.8の値を示した。
注:調べると,尾瀬の池塘なども導電率は 10 以下になるらしい。
鳥子平,木道を北へ進む(福島市),11:37-11:38>
1枚目:前方のT字路を右へ。
2,4枚目:
イワカガミ(Scizocodon soldanelloides,イワウメ科 イワカガミ属)
が咲いていた。
3枚目:これはおそらく
リンドウ
何リンドウかはわからないが,,。
右折した後の様子(福島市),11:38
木道の先は高山の登山道だ。
既述したが,高山の先には麦平がある。
ここへ入って,高山の頂上を越えて降りて行けば麦平に到達できるはず。
しかし,そこからまたここに戻るとなると,かなりの時間と体力が必要だ。
復路のスカイライン(浄土平15:40発,鳥子平バス停に来るのはおそらく15:50頃のはず,今から4時間後だ)
にギリギリ間に合うかどうかというところだ。万が一乗り遅れると大変だし,他はどこへも行けなくなるので無理がある。
ということで,今回は登山道の様子を途中まで見るだけにした。
木道を降りて,高山の登山道へ入る(福島市),11:38-11:39
たくさんの
コバイケイソウ(Veratrum stamineum,ユリ科 シュロソウ属)
が生えているので,近くに水たまりがあるかと期待したが,無かった。
高山の登山道を進む(福島市),11:39-11:40
2〜4枚目:蕾みをつけつつある
マイヅルソウ(Maianthemum dilatatum,ユリ科 マイヅルソウ属)
の間で
ミツバオウレン(Coptis trifolia,キンポウゲ科 オウレン属)
が咲いていた。ミツバオウレンは,マイヅルソウに比べると数は少ないが,あちこちで咲いていた。
Part V: | 鳥子平(2) 2016.06.12, 11:41 - 11:56 |