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2014.11.23, Part VI

サギソウ園〜公園南端近くの湿地

上野森林公園,サギソウ園の南端近くを通過(伊賀市),11:04
ここまで来た目的は,「サギソウ園」のさらに南にある湿地らしき場所へ向うためだ。 それには左の四阿の脇を入るのだが, せっかくなので,近くに水辺があるか探してみた。すると・・・。

上野森林公園,「サギソウ園」(伊賀市),11:05
通路近くの湿地でウメバチソウが咲いていた。 ウメバチソウParnassia palustris,ユキノシタ科 ウメバチソウ属) 。 この時期にウメバチソウの花が見れるというのは,やはりこの辺は暖かい,ということだろう。 ちなみに,これまでの撮影記録だと, 東北などではウメバチソウの花は 8, 9月に咲いていたが, 千葉では11月初旬に咲いていた。 ここは千葉よりもっと遅い。

上野森林公園,サギソウ園(伊賀市),11:05
湿地際から北側をパノラマ撮影。 木道の入口は左前方にあるようだ(しかし,この後,そこまで行くと工事で通行止めだった)。

上野森林公園,サギソウ園(伊賀市),11:06-11:07
湿地際から奥に続く溝,というか,水路らしき場所があった。 現在は,水は流れていないが,雨が降ると水路になるのだろう。 たくさんの糸状藻があった。しかし,ほとんど干上がりかけている。
2枚目:原生生物はあまり期待できないが,ここで 採集(上野森林公園,サギソウ園)。 糸状藻の本体は ヒザオリ(Mougeotia) だった(すくなくとも3種いた)。 また,湿原でよく見かける 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium) もいた。 ということで,原生生物は豊富(種数)。 干上がっていなければもっとたくさん観察できたかも知れない。 いずれ再訪したい。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, 小型鞭毛虫数種, 小型アメーバ, トリネマ(Trinema sp.), フレンゼリナ(Frenzelina), ウロトリカ(Urotricha), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium), 小型繊毛虫数種, マルロモナス(Mallomonas sp.), クリソステファノスファエラ( Chrysostephanosphaera), 珪藻各種, ヒザオリ3種(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium baillyanumC. intermediumC. kuetzingiiC. setaceum), ツヅミモ( Cosmarium pandriforme, ホシガタモ( Staurastrum lapponicum, イボマタモ( Euastrum ansatum, タテブエモ(Penium sp.), フタボシモ(Cylindrocystis), ケンミジンコ,

木道は工事のため通行止めだった(伊賀市),11:08-11:09
1枚目:上述したように,「サギソウ園」の南西端に木道の入口があったが,このように,通行止めだった。残念。 2枚目:iPad mini で現在地を確認。

上野森林公園,サギソウ園(伊賀市),11:10

道が三本に分かれている(伊賀市),11:11
1〜3枚目:パノラマ撮影。 当初は,最初に撮影した四阿の脇から南へ向かおうと考えていた。 そのルートは1枚目の未舗装道だ。 しかし,ここにも四阿(2,3枚目)があったので,最初の四阿と混同して,ここで右(3枚目)に入ってしまった。

未舗装の遊歩道を進む(伊賀市),11:11

未舗装の遊歩道を進む(伊賀市),11:12
1,2枚目:パノラマ撮影。 右(2枚目)に入る狭い道?があった。踏跡のようだ。 3枚目:iPad mini で現在地を確認。右のルートは地図には描かれていない。 ということでここは左へ。 しかし,ほどなく,この先のT字路で右に進むと西へ進んで「風の砦」などがあるエリアへ向かうのだが, そこから車道をくぐって公園の南西側へ出ることになる。 それは公園の南端にある湿地らしき場所を訪れてから,こちらへ来る予定だったことに気付いた。 そのため,ここでいったん引き返した。
なお,後でわかったが, 右にある踏跡らしい狭い道(2枚目)は「風の砦」などがあるエリアへ向かう道へショートカットするためにできた踏跡?だった。

上野森林公園,ということでさきほどの分岐まで戻った(伊賀市),11:13
1〜4枚目:分岐へ戻ったところでパノラマ撮影。 3,4枚目: 今度は,ここを右へ。 上述したように,右へ進んだ後,ふたたびここまで戻り,今途中で引き返した道へ入る予定。

上野森林公園,公園の南端付近にあるはずの湿地へ(伊賀市),11:14
2枚目:iPad mini で現在地を確認。

上野森林公園,この辺が公園の南端,のはず(伊賀市),11:15
道の左側(1枚目)がやや窪地になっている。 どうやらあの辺が湿地のようだ。 道端(2枚目左)には,湿地を大切にして,といった内容の案内板があった。

上野森林公園,南端(伊賀市),11:15
1,2枚目:左カーブの屈曲点付近の斜面が湿っていた。 道路を造成した際にできた斜面なので比較的新しいはずだが,周囲がもともと湿地だったので,色々いるかも知れない。 3枚目:iPad mini で現在地を確認。

左から右に移動しつつ斜面をパノラマ撮影(伊賀市),11:16
斜面の上半分は工事で切り取られたままで,白と薄茶色の地層が交互に重なっているのがわかる。 下半分は崩れた土砂に草が生えて,斜面からしみ出してきた水がたまってぬかるんでいる。

上野森林公園,南端(伊賀市),11:17
ぬかるみにたまった水垢を 採集(上野森林公園,南端)。 コケなどは生えていないが,原生生物は結構いた。 ここにも,湿原でよく見られる 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium) がいたし,大形の接合藻類もそれなりにいた。 採集をくり返せばもっとたくさんの原生生物が観察できる可能性が高い。 周囲に見えるのは,枯れた ミカヅキグサRhynchospora alba,カヤツリグサ科 ミカヅキグサ属) ??
ここも一応,鉱質土壌湿原といえるだろう(?)。
観察された生物: Lesquereusia, クアドルレラ(Quadrulella symmetrica), ヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis), ラッパムシ(Stentor muelleri), 小型ディセマトストマ(Disematostoma), フロントニア(Frontonia elliptica or F. fusca), ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria), 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium), 小型繊毛虫数種, クリソステファノスファエラ( Chrysostephanosphaera), ヒザオリ2種(Mougeotia), アオミドロ(Spirogyra), ホシミドロ(Zygnema), コウガイチリモ( Pleurotaenium nodosumP. trabecula), ミカヅキモ( C. kuetzingii, ツヅミモ( Cosmarium connatumC. pandriformeC. parvulumC. quadrum), ホシガタモ( Staurastrum lapponicum), イボマタモ( Euastrum ansatumE. denticulatum), アワセオオギ(Micrasterias denticulata), ネジモ(Spirotaenia condensata), フタボシモ(Cylindrocystis), ワムシ,

Part VII: 公園南端近くの湿地〜散策の道〜風のとりで〜
2014.11.23, 11:18 - 11:31