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2010.05.30, Part VIII

雄国沼湿原遊歩道(2)

雄国沼湿原,(北塩原村),11:45
わずかだが,ワタスゲEriophorum vaginatum)も咲いていた。 白い果穂になるのはこれから。

雄国沼湿原(北塩原村),11:46
ふたたびショウジョウバカマHeloniopsis orientalis)を撮影。

雄国沼湿原,前方の休憩所の先で左へ折れる(北塩原村),11:47

雄国沼湿原(北塩原村),11:47
タテヤマリンドウGentiana thunbergii var. minor) or ハルリンドウ?

雄国沼湿原,沼岸へ近付いていく(北塩原村),11:48
1〜4枚目:木道の最南端付近で周囲をパノラマ撮影。 前方の東の空は相変わらず厚い雲で覆われているが,西の空には雲間があるため,そこから漏れた日射しが対岸の山を部分的に明るく照らしている。 1枚目:手前の小山の奥に見えるのが,おそらく磐梯山(標高 1818.6m)。上半分は雲に隠れている。 磐梯山の左側に猫魔ヶ岳(標高 1403.6m)があるはずだが,画面ではどれが猫魔ヶ岳かは不明。 また,右側(2〜4枚目)には厩岳山(標高 1261m),古城ヶ峰(標高 1287.8m)があるはずだが,これもどれがどれやら・・・。

雄国沼湿原,左にカーブしつつ沼岸へ近付いていく(北塩原村),11:49

雄国沼湿原,沼岸が近付く(北塩原村),11:49-11:50

雄国沼湿原,沼岸近くの休憩所と「雄国沼湿原の成り立ち」(北塩原村),11:50

雄国沼湿原,沼岸沿いを西へ(北塩原村),11:51

雄国沼湿原,沼岸沿いを西へ(北塩原村),11:51

雄国沼湿原,沼岸がさらに近付く(北塩原村),11:51

雄国沼湿原(北塩原村),11:52
普通,大きな湖や沼の岸辺には原生生物はあまりいないので,ここも沼岸はあまり原生生物はいないのではと考えて, 最初は採集する気になれなかった。しかし,いないことも一応確認しなければならないので,とりえず採集してみることにした。 まずは,沼側で採集(雄国沼湿原-5)
観察された生物: カリキモナス(Calycimonas physaloides), ヘテロネマ(Heteronema sp.), ナベカムリ( Arcella arenariaArcella sp.), ディフルギア( Difflugia bacilliferaD. bacillariarumD. elegans D. oblonga), ヒアロスフェニア(Hyalosphenia elegans), アミカムリ(Nebela collaris), ユーグリファ(Euglypha tuberculata), トリネマ( Trinema complanatumTrinema sp.), ラクリマリア(Lacrymaria), イレオネマ(Ileonema), フロントニア(Frontonia), クリスチゲラ(Cristigera phoenix), バジニコラ(Vaginicola), 小型繊毛虫数種, ミクロスポラ(Microspora), カメガシラモ(Tetmemorus laevis), タテブエモ(Penium polymorphum), ワムシ, ミジンコ, ソコミジンコ, イタチムシ, センチュウ,

雄国沼湿原(北塩原村),11:54
その反対側でも採集(雄国沼湿原-6)。 翌日,観察すると,予想に反して,この沼際がもっとも原生生物の種類が多かった。 逆に,既述したように,いかにも湿原らしい西側の木道沿いはあまりいない。
考えられる理由は,西側は,現在は湿っているが夏以降は沼の水位が下がることで地表が乾燥してしまうのではないか,ということ(注)。 長期間安定した水環境が維持されないので,原生生物相が貧弱になっているのかも知れない。 それに対して,この沼際は,一年を通して水があるので,たくさんの原生生物が生息出来るのだろう。 この推測が正しいかは,夏場以降に再度訪れて,この湿原の様子を観察してみる必要がある。
観察された生物: カリキモナス(Calycimonas physaloides), 小型太陽虫, ナベカムリ( Arcella sp.), フセツボカムリ( Centropyxis aculeata), ディフルギア( Difflugia bacillifera), アミカムリ( Nebela americanaN. collaris), ヒアロスフェニア( Hyalosphenia nobilisH. papilio), イレオネマ(Ileonema), ミクロトラクス(Microthorax), バジニコラ(Vaginicola), ツリガネムシ(Vorticella), 棘毛類繊毛虫, 珪藻各種, ヒザオリ(Mougeotia), カメガシラモ(Tetmemorus laevis), ミカヅキモ(C. abruptum), ホシガタモ( Prostaurastrum alternans v. subalternans), ハタヒモ(Netrium digitus), タテブエモ(Penium polymorphum), フタボシモ(Cylindrocystis), Bambusina brebissonii, ユレモ(Oscillatoria), ワムシ, ミジンコ, ケンミジンコ, ソコミジンコ, クマムシ, センチュウ,

注:手持ちのガイドブック(水尾著,湿原を歩く,2000年初版)によると, この雄国沼の水は「現在農業用水としても利用されているため,水位の変動が大きい」そうだ。 そのため,「現在は湿原としての発達は止まっているようだ」とも指摘されている。

雄国沼湿原,前方で沼の上を通る(北塩原村),11:55

雄国沼湿原,沼の上を通る(北塩原村),11:55-11:57
1,2枚目:この辺の水深はかなりある。よって採集は中止。というか,採集どころではない。 木道はあちこち壊れかけていて,ややグラグラするところもあり,歩くだけで必死だった。 3枚目:ふたたび湿地に上がる。 4枚目:左側に湿原の入口が見えた。次々と訪問客が木道に入っている。 入口の上奥に三角屋根が見えるが,あれは何だろう?国土地理院の地図には描かれていない。 となると,比較的新しい建物のはずだが,,。

雄国沼湿原,左折して湿原入口へ戻る(北塩原村),11:58

雄国沼湿原,湿原入口が近付く(北塩原村),11:58

階段を上がり湿原を出る(北塩原村),11:59
湿原を周回する木道に入ったのが11:32だったので,27分で周回して終わったことになる。 ガイドブック(水尾著,湿原を歩く,2000)では,「一周50分」と記してあるが, これは途中休憩を含めて,ニッコウキスゲ等をゆっくり眺めて歩くことを想定しているようだ。

Part IX: 雄国沼湿原入口〜雄国沼休憩舎〜雄国山登山口
2010.05.30, 11:59 - 12:33