HOME | 研究資料館 | 地域検索 | 採集の記録 | 2009 . 10 . 11 | お知らせ

2009.10.11, Part V

男沼〜あけぼの湿原

男沼の北岸沿いを西南西へ,高台を降りる(福島市),09:56

男沼の北岸沿いを西南西へ,沼岸近くを歩く(福島市),09:57
高台を降りた後は沼岸ぎりぎりの所を歩く。

男沼の北岸沿いを西南西へ,水は澄んでいた(福島市),09:57
岸辺近くの水底を撮影。多少落ち葉があるが,その下にある砂と砂利がくっきり見える。 水垢はほとんどない。これだと原生生物は期待できない。

男沼の西岸にある湿地?へ(福島市),09:57
1,2枚目:西岸沿いの草原が迫ってきたところでパノラマ撮影。

男沼の西岸にある湿地?へ(福島市),09:58
途中に沼に突き出た場所があった。右側が入り江というか湿地になっている。

男沼の西岸にある湿地?,ここでの採集はあきらめる(福島市),09:58
その湿地に近付いてみたが,岸辺が深く落ち込んでいて採集しずらいのと, 見た目ではあまり原生生物はいそうにないので途中で引き返した。

再び男沼林道に戻り,西岸沿いを西南西へ(福島市),09:59
湿地(ないし入り江)を過ぎると道は左に折れて西岸沿いとなる(注)。
西岸までくると道の両側に草木が生い茂り,しだいに道が狭まってきた。

注:国土地理院の地図では,ここは1本道が左に折れているのではなく,右(西)への分岐もあるように描いてある。 しかし,歩いたかぎりではそのような分岐は見当たらなかった。 おそらく,そこもかなり前から廃道になっているのだろう。

男沼西岸付近の林道,道がはっきりしなくなった(福島市),09:59
1,2枚目:パノラマ撮影。左に沼を見つつ林道?を進むが, 前方にはますます草が生い茂り,道がはっきりしなくなった。 道というよりは,ほとんど踏跡に近い。 案内図では沼を一周する道があるように描いてあるが,本当にこのまま沼沿いを歩いていけるのだろうか?やや疑問。

男沼西岸からの眺め(福島市),10:00
1〜3枚目:道(踏跡)を外れて沼岸へ近付いてみることにした。 近付きつつ沼側をパノラマ撮影。

男沼西岸からの眺め(福島市),10:00
1,2枚目:さらに近付いて再度パノラマ撮影。 たしかに草は生えているもののそれほど多くはない。岸辺との境界もはっきりしていて遠浅になっていない。 これだと原生生物はあまり期待できない。

男沼,沼岸で採集(福島市),10:01
せっかく来たので,とりあえず採集(男沼-1)
観察された生物: サヤミドロ(Oedogonium), ミカヅキモ(Closterium ehrenbergii), ミジンコ, カイミジンコ,

男沼(福島市),10:02
少し場所を変えて採集(男沼-2)。 水垢はほとんど入らない。ドロリではなくサラリとした状態。
観察された生物: スピロストマム(Spirostomum minus), ウロセントルム(Urocentrum turbo), ディステリア(Dysteria), プルーロネマ(Pleuronema marinum), ワムシ,

男沼西岸からの眺め(福島市),10:03
1〜3枚目:立ち去る前に再度パノラマ撮影。 この頃,ようやく雲間から青空が見えるようになった。 しかし,ここからだと逆光になるため,空にピントを合わせると沼や林が真っ黒になってしまうので,空は撮影しなかった。

男沼林道を辿り元へ戻る(福島市),10:05-10:06
西岸のサンプルがあまり期待できそうにないので, 戻る途中の岸辺でも採集しておくことにした(男沼-3)。 ここも水垢はほとんど入らない。細かく砕けた腐食質と砂があるのみ。
観察された生物: 小型鞭毛虫数種, ユーグリファ(Euglypha), 小型繊毛虫数種, ミジンコ,

男沼林道を辿り元へ戻る,高台へ上がる手前(福島市),10:07

男沼林道を辿り元へ戻る,やっと日射しが出て来た(福島市),10:08
木漏れ日が現れたので撮影してみたが,あまりくっきりした画像にならない。 光量がまだ足りないようだ。

男沼北端の分岐まで戻った,今度は「あけぼの湿原」を目指して東へ(福島市),10:10
既述したように,画面の左に仁田沼へ向う道と駐車場へダイレクトに降りる道がある。 今度は右へ。
この写真を撮影する前,分岐に戻ったちょうどその時, 麓から上がってきたと思われる一人の男性と遭遇した。 男性は「吾妻山へはどちらの道へ進めばよいか」と尋ねてきた。 そこでさきほど男沼の手前にあった廃道の場所を思い出し,方角を示した上で「今は歩けないのでは?」とコメントしたが, 男性はそのまま坂を上がっていった。 どうやら,やはり今でもあの道は使われていて,ここから吾妻山へ登る人がいるようだ。
なお,今回の山歩きで出会ったのはこの男性一人のみ。

男沼から出る沢に架かる橋を渡る(福島市),10:11

男沼から出る沢に架かる橋を渡る,袂が陥没している,やや恐怖(福島市),10:11

ほどなくして「あけぼの湿原入口」の標柱が現れる(福島市),10:12
1,2枚目:パノラマ撮影。遊歩道(1枚目)の脇に「あけぼの湿原入口」と書かれた標柱が立っていた(2枚目)。 その先には湿原に入る道が続いている。 案内図によると,この先では縦長の湿原の中央付近にループ状の遊歩道が敷設されているらしい。
ここで疑問なのだが,前回(2005.10.28)もこの標柱はあったのだろうか? 前回は,ガイドブックにある径路図を頼りに歩いたのだが, そのガイドブック(日野・葛西著,南とうほく花の湿原,無明舎2002)では,あけぼの湿原は 「ごく小さな湿地帯」と書かれてあるのみで,上述のループ状の遊歩道は描かれていない(p.91)。 実際,前回は下り坂の途中から見える湿地に降りて採集しただけで, この後出てくるようなループ状の遊歩道が敷設された湿地を歩いた記憶がない。
もしかすると,この標柱は比較的最近建てられたものかも知れない。

「あけぼの湿原」へ(福島市),10:12
まずは「あけぼの湿原入口」と書かれた標柱の奥に進んでみた。

あけぼの湿原,ここは湿原の北西端付近(福島市),10:13
1〜3枚目:ほどなく小さな沢に架かる橋があった。そこから左手(南)奥を見ると,沢の先に湿地が広がっているのが確認できた。 道は橋を渡って右方向に伸びているのでそのまま橋を渡ることにした。
後でわかったが,橋の先には南へ伸びる細長い丘(2枚目)があり, その丘と湿地の間を一周する形で遊歩道がループ状に敷設されていた。 すなわち,橋を渡った後,右側から丘の麓部分を歩いて南へ向い,丘の先端部でグルリと向きを変えて左側からここへ戻ってこられるようになっていた。 あけぼの湿原は,細長い丘の周囲を取り囲むようにして広がっているようだ。 基本的には沢が広がってできた湿地なので水の流れがある。 ミズバショウが生育するには適した場所だが,原生生物は流されてしまうのであまり期待できない。

Part VI: あけぼの湿原
2009.10.11, 10:13 - 10:27