HOME | 研究資料館 | 地域検索 | 採集の記録 | 2008 . 02 . 11 | お知らせ

2008.02.11, Part XI

柏ビレジ水辺公園〜柏市サイクリング道路

柏ビレジ水辺公園,第一調整池(柏市大室),15:08
採集しようとして池端に近付くと,変わった形の木(の根?)があった。 1,2枚目:最初はただの枯木かと思ったが,そうではなさそうだ。 尖った先端部までしっかり樹皮で覆われている。 折れたり切り取られた木の株で,傷跡が樹皮で覆われたようにも見えるが,,。 3枚目:隣の木を見ると木自身にこのような性質があるようにも見える。 人為的な影響によるものか,それとも自然現象か,,。まったくわからない。

注:2011.2.12,たまたまマングローブについて調べていたところ,マングローブの膝根,ないし,屈曲膝根(呼吸根の一種)がまさにこの 変わった形の木(の根?)とそっくりであることに気づいた。 そして,同じ膝根を持つラクウショウ(落羽松,Taxodium distichum , Swamp Cypress,別名:ヌマスギ,スギ科ヌマスギ属)がこの膝根の正体であることが判明した。

柏ビレジ水辺公園,第一調整池(柏市大室),15:09-15:10
それはともかく,池底を見ると割石が敷き詰められていた(注1)。これはあきらかに人工的なもの。 ただし,表面はヘドロと若干の藻塊で厚く覆われていた。 これを見るとかなり長期間安定した水辺環境が保たれてきたことが窺える(注2)。 水面には黒々としたヘドロが浮かんでいた。表面だけ薄く緑色で覆われているタイプ。 そのヘドロをメインに採集(柏ビレジ水辺公園,第一調整池)。 この時点ではあまり期待していなかったが,翌日の観察の結果,ここには非常に沢山の原生生物がいることが判明。 ただし,原生生物相は高地の湿原とは異なり,腐食性の環境によく見られるタイプ。 接合藻類は,平地で良く見つかるミカヅキモ(Closterium acerosum)以外はまったくいなかったが, 小型のクロレラ類(クンショウモ,イカダモ)や,様々な従属栄養性の原生生物が観察できた。 ここはこれからも何度か訪れて調査する価値がある場所だ。
観察された生物: ゴニオモナス(Goniomonas), ミドリムシ3〜4種( Euglena desesEuglena sp.)初観察の1種?を含む, ウチワヒゲムシ(Phacus pyrum), ペラネマ(Peranema), アニソネマ(Anisonema), スフェノモナス(Sphenomonas teres), カリキモナス(Calycimonas physaloides)ないしその近縁種, ミドリムシ類の鞭毛虫(後曵鞭毛が短い), 小型鞭毛虫数種, テカメーバ( Thecamoeba verrucosaThecamoeba sp.), マヨレラ(Mayorella), バネラ(Vannella), ナベカムリ(Arcella), ディフルギア( Difflugia), サイフォデリア(Cyphoderia ampulla), Paulinella, ウロトリカ(Urotricha), コレプス(Coleps hirtus), リトノタス(Litonotus), ホマロズーン(Homalozoon vermiculare), ティンティニディウム(Tintinnidium flaviatile), アスピディスカ(Aspidisca), プルーロネマ(Pleuronema), マルロモナス(Mallomonas), 珪藻各種, カルテリア(Carteria) ファコタス(Phacotus lenticularis), ゴニウム(Gonium) フタヅノクンショウモ(Pediastrum duplex), ヒトヅノクンショウモ(Pediastrum simplex), ネジレクンショウモ(Pediastrum kawraiskyi初観察), イカダモ3種以上( S. quadricaudaS. opoliensis?, Scenedesmus sp.), Selenastrum, コエラストルム( Coelastrum morus), Ankistrodesmus falcatusMicractinium, ミカヅキモ( Closterium acerosum), アオコ(Microcystis), メリスモペディア(Merismopedia), ユレモ(Oscillatoria), Achromatium, クマムシ,

注1:割石が敷き詰められている点では,昨年末訪れた千葉市の 大百池とよく似ている。 しかし,大百池の原生生物相は非常に貧弱だった。この違いは何によるのだろう?
注2:ネットで調べると,ここは調整池なので大雨等の後はかなり増水することもあるようだが,,。

柏ビレジ水辺公園を出る(柏市大室),15:13
公園の北端部から外へ。坂道を上がる。

柏ビレジ水辺公園を出る(柏市大室),15:13
坂道を上がると,さきほど通った公園の周囲を通る車道へ出る。

公園の北にある柏市サイクリング道路へ(柏市大室),15:14
1〜3枚目:車道を少し西へ進むと住宅地と接する十字路があった。角は滑り台のある小さな公園。 ここで右折。北へ。北側には堤防があり,その先には利根川河川敷を利用した水田地帯が広がっている。

公園の北にある柏市サイクリング道路へ(柏市大室),15:15
右折すると前方で左に折れる。

公園の北にある柏市サイクリング道路へ(柏市大室),15:15
曲り角にはさきほどいた第一調整池ビオトープの出入り口があった(2枚目)。

公園の北にある柏市サイクリング道路へ(柏市大室),15:15
左に折れた後の様子。 住宅と並木に挟まれた道だが,その先には堤防が見える(逆光のためうまく写っていないが)。

公園の北にある柏市サイクリング道路へ(柏市大室),15:15-15:16
1枚目:並木を抜けると堤防が現れる。 2枚目:今度は堤防沿いに進む。

堤防に上がる(柏市大室),15:16
当初はこの後,ここで左折(西進)し,市街地を通って西にある東武野田線のどこかの駅から帰宅しようかと考えていたが, 途中には往路でも通ったつくばエクスプレスの線路があるので,再びその周辺で道に迷う(=地図にないルートを通る)可能性があった。 また,自動車に注意しながら狭い車道を走るのも疲れるので, 経路的にはやや遠回りになるが,利根川と利根運河沿いのサイクリングロードを通って野田線の運河駅に向うことにした。 ということで,ここは右折。

堤防に上がる(柏市大室),15:17
右折した後の様子。前方の坂道を上がり堤防上へ。

堤防からの眺め(柏市大室),15:17
坂を上がったところで前方(北〜東〜南)をパノラマ撮影。 前方には広々とした水田地帯が広がっているが,その先には利根川が流れている。 利根川の側にも堤防があるが,ここの堤防と利根川側の堤防に挟まれたこの一帯は洪水時の遊水池(田中調節池)でもある。 昨年の9月にもこの一帯は水没したらしいが,遠目で見る限りその痕跡は見当たらない。 これから坂を下り,前方の利根川沿いの堤防上にあるサイクリングロード(柏市サイクリング道路)へ向う。

堤防を降りる(柏市大室→新利根),15:20
坂を下ったところで左折し,二号排水路に架かる小さな橋を渡る。

柏市サイクリング道路へ(田中調節池,柏市新利根→上利根),15:20-15:23
1枚目:橋を渡った後は,まっすぐな道が利根川に向って伸びている。 2枚目:水田地帯を通る車道を横切る。ここはかなり交通量が多い。 当然ながら信号はないので,車が途切れるまでかなり待たされた。 3枚目:どうにか十字路を横切り先へ進む。 4枚目:利根川沿いの堤防が近付くと泥道となる。通行する車等もあるため,かなりこなれてドロドロしている。 泥が跳ね上がるのを気にしつつ進む。

柏市サイクリング道路へ上がる(柏市上利根),15:24
堤防の前。右に曲ってから上がるのも面倒なので,前方の斜面をそのまま歩いて上がった。

柏市サイクリング道路からの眺め(柏市上利根),15:25
斜面を上がったところで前方(北〜東〜南)をパノラマ撮影。 2枚目:河川敷ではちょうどモーターパラグライダーが飛び立とうとしているところだった。

モーターパラグライダー(柏市上利根),15:25
飛び上がるのを待って撮影。 今回はここ以外でも飛行中のモーターパラグライダーを何人(台?)か見かけた。

柏市サイクリング道路を北西へ(柏市上利根),15:26

Part XII: 柏市サイクリング道路(利根川沿い〜利根運河沿い)
2008.02.11, 15:30 - 15:53