2006.02.07 02.05に採集したサンプルの観察の際,ついでに撮影した |
研究室の様子 Part III |
法政大学 自然科学センター 生物学研究室 |
アメーバ(
Amoeba proteus
)の餌として培養しているテトラヒメナ(
Tetrahymena
)。テトラヒメナはPPYG培地で培養する。静置培養の場合,酸素の供給が問題になるので,このように平底のフラスコに少しだけ培養液を入れて,
空気と接する面を広くする必要がある。約1週間前後で植継ぎをしている。アメーバに餌として与えるのも約1週間ごと。
塩溶液(KCM)でテトラヒメナを洗って(実際には遠心機で細胞を集めてKCM溶液に移す,遠心条件: 500 rpm x 60 sec.程度),
アメーバに与える。
注:テトラヒメナは室温(22〜24℃)だと増殖が速まり,すぐに定常期に達してしまう。そのため,1週間後ではかなり培養のコンディションが
悪化してしまい,餌用としては適さなくなるので,アメーバと同じ低温(18℃)にして増殖速度を抑えている。
無菌培養しているキロモナス(
Chilomonas
)。ミドリムシ(
Euglena
)用の培養液を使用。
非常によく増えるがすぐに飢餓状態に入って死んでしまうのが悩みの種。
現在は,18℃で10日ごとに植継ぎをしているが,10日までもたない野外株も多い(室温だともっと早い,4,5日で絶えてしまうものもいた)。
このため,これまでにかなりの単離株を絶やしてしまった。もともとは現在の倍くらいいたのだが,,。
1〜3枚目:植継ぎの際に使用しているパスツールピペット(滅菌済み)。
ピペットはガラス管の中に入れ,テフロン製の蓋をして乾熱滅菌(180℃,1時間)している。このテフロン製の蓋は特注品。
恒温庫の中に置いてあるバクテリア。前にある5本がゾウリムシの餌用として使用しているバクテリア(Klebsiella pneumonia,
土壌細菌の一種)。土臭い。半年〜1年に一回程度移植すれば生きているので,保存は楽。
2枚目:恒温庫の中には自作の蛍光灯スタンド?(木製)がある。内部の様子を見るのに,購入したままだと暗くて見づらかったため。
野外から採集してきた原生生物は,滅菌した培養液を通した後,このような滅菌済みの容器に単離し,滅菌した培養液を加えて培養する。
1枚目:単離する際に使用するデプレッションスライド(丸い窪みのあるガラス板)。以前はこれらを滅菌して使用していたが,
単離操作に使用するだけなら,一時的な使用なので,十分に洗浄して乾燥してあれば,滅菌しなくてもとくに問題ない。
2枚目:自作のマイクロピペット。市販のパスツールピペットをガスバーナーで加工して作る。
3,4枚目:実体顕微鏡下でマイクロピペットを使って片方の穴にいる原生生物を吸い取り,それを隣の穴(滅菌した培養液)に移す。
この作業を何度か繰り返すと,細胞の周囲にいたバクテリア(雑菌)が減って,運が良ければ雑菌を含まない状態になる。
それらを上の滅菌済みの容器に移して培養する。