原生生物と日本産アリ類の広域画像データベース

4 データベースの構成と利用状況

4-3. ミラーサーバの設置とその管理

 以上のように,95年後半から急激に利用者が増えてきたことを受けて,95年後半から96年度にかけて,アリと原生生物双方でアリ類研究会所属の協同研究者もしく他の協力者の了解を得て,ミラーサーバを各研究機関に設置した。現在は表4-2のような状況にある。予算の関係もあり,農業生物資源研に以前からある1台のUNIXマシンを除いて,すべて廉価なパソコンをサーバとして利用している。

ミラーサーバの管理法
 ミラーサーバを設置する上では,設置場所の選定や設置場所の管理者,およびその管理者が所属する組織(とくにネットワークを管理する計算センターなど)との協議を必要としたケースが多かった。
 また,設置後は,各サーバにあるデータの更新が問題になったが,アリについては,独自に各ミラーサーバにあるデータを自動的に更新するシステムを開発し(鵜川 1996),稼働させている。その仕組みは,農水のUNIXサーバから各サーバへ定期的にアクセスし,ファイルの日付を見て更新されているものがあった場合には,自動的にそれを他のミラーサーバに転送し旧いファイルを上書することで更新を行なっている。
 (ただし,原生生物の方は今のところ手作業で更新を行なっている)。

 設置後,すでに1年以上を経過しているものが多いが,これまでのところ,パソコン本体の故障はあまり起きていない。一方,24時間稼働させいるハードディスクは消耗が激しいため,一部は停電等で停止した後,再起動できないなどの形で故障するものが出た。幸い予算に余裕のある時期に起きたため,即交換することができた。だが,将来には,これらのミラーサーバのメンテナンスに関する手間と予算措置が問題になる可能性がある。