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2012.05.13, Part III

飛水峡(甌穴群散策路-1)

甌穴群散策路,急な石段を降りる(七宗町),08:49
1枚目:最初は傾斜がさほどないためか手摺がない。その先には手摺がある。 2枚目:階段を降りはじめると,近くにいたヘビが逃げていった。シマヘビ?

甌穴群散策路,急な石段を降りる(七宗町),08:50
かなり急だ。ステップの幅も狭い。足がすくむ。金属製の手摺に掴まりつつ慎重に降りる。

甌穴群散策路,さらに急な石段を降りる(七宗町),08:50
ますます傾斜が急になる。そのため,各ステップの段差がかなりある。 うっかりすると足を踏み外しそうだ。 また,ここではすれ違うことはまず無理だ。もし,下から誰かが上がってきたら,どちらかが引き返さなければならないだろう。 怖い怖い。

岩場が見えたところで石段が終わった(七宗町),08:50-08:51
1枚目:しかし,まだ傾斜がかなりある。木の根を滑り止めにして降りて行く。 2枚目:ルート的には木の右側の岩の上を通るようだが,左へやや傾斜している。 左側へ滑るとかなり段差があるので危険だ。もし滑ったら大変なので木の左側にある窪みへ降りることにした。

こちらがその窪み(七宗町),08:52
段差は1mくらいはありそうだが,滑ってもそれ以上は落ちていかないので危険は少ない。 両手・両足を岩の上に置いてずり落ちるようにして下へ降りた。

ふたたび水たまりが見えた(七宗町),08:52

飛水峡,まずは足下にある水たまりで採集(七宗町),08:53-08:54
1枚目:落ち葉で埋め尽くされているのでわかりにくいが,落ち葉の下には水があった。 2枚目:落ち葉の下にピペットを差し込んで 採集(飛水峡-01)。 原生生物はわずか。
観察された生物: スピロストマム(Spirostomum ambiguum), スチロニキア(Stylonychia notophora), グラウコマ(Glaucoma), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), ツリガネムシ(Vorticella), 小型繊毛虫数種, スティゲオクロニウム(Stigeoclonium sp.), ミクロタムニオン(Microthamnion strictissimum), スティゴネマ(Stigonema ocellatum),

飛水峡(七宗町),08:55
左にさきほど渡った上麻生橋が見える。

落ち葉の水たまりの先は急な段差だった(七宗町),08:55
ここを降りるのはやや危険と判断。右の崖際を見ると,遠回りだが段差の少なそうなルートがあった。

崖沿いの岩場を通ってさらに下へ降りる(七宗町),08:55-08:56

飛水峡,足下の様子(七宗町),08:56
厚さは 4 cmくらいだろうか。ほぼ同じ厚さの岩が何層にも重なり,それらがほぼ垂直に立っている。 尖った岩の上を歩くので,非常に歩きにくい。

崖沿いのルートの途中でパノラマ撮影(七宗町),08:56
1枚目:今歩いてきた方向。 2枚目:途中にある大きく尖った岩。この岩の周囲を回り込む形で歩いている。 3枚目:これから進む方向。前方にいくつかの水たまりがある。

飛水峡,水たまりが近付く(七宗町),08:56

足下を見るとこんな岩が(七宗町),08:56
地球の力を感じる。

飛水峡,やや平坦な場所でパノラマ撮影(七宗町),08:56
1枚目:左側にはやや高い位置に小さな水たまりがある。 2,3枚目:少し離れた位置にいくつも水たまりがある。

飛水峡,左側の水たまり(七宗町),08:58
1枚目:岩の上に上がって撮影。 2枚目:ここで採集(飛水峡-02)。 今回の採集では,ここがもっとも原生生物が多かった(種数)。 既述したが,この辺は洪水時には岩石段丘の上?まで水に浸るらしい。 この水たまりに原生生物が多いのは,高い位置にあるというのが幸いしているのかも知れない。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, クリプトモナス(Cryptomonas sp.), ゴニオモナス(Goniomonas), トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), リピドデンドロン(Rhipidodendron huxleyi), カラエリヒゲムシ(Salpingoeca), 小型鞭毛虫数種, スファエラストルム(Sphaerastrum), ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.), アメーバ・プロテウス(Amoeba proteus), コロトネベラ(Korotnevella), バネラ(Vannella), 小型アメーバ, ナベカムリ(Arcella vulgaris, ディフルギア(Difflugia sp.), Lesquereusia, トリネマ(Trinema sp.), スピロストマム(Spirostomum intermedium), 共生藻を持つラッパムシ(Stentor polymorphus), ウロトリカ2種(Urotricha), アスピディスカ(Aspidisca), レンバディオン(Lembadion bullinum), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), シヌラ(Synura), マルロモナス(Mallomonas), トリボネマ(Tribonema minus), イカダモ(Scenedesmus), ゲミネルラ2種(Geminella), ヒザオリ(Mougeotia)多数, アオミドロ2種(Spirogyra), ホシミドロ(Zygnema), ミカヅキモ( Closterium dianaeC. idiosporum 多数, C. moniliferumC. ralfsii), アルスロデスムス( Arthrodesmus triangularis var. latiusculum), ホシガタモ( Staurastrum alternansS. avicula var. ??, S. coarctatum var.? 突起部がやや下向き, S. punctulatumStaurastrum sp.), ケズネモ( Gonatozygon brebissoniiG. kinahani), タテブエモ(Penium margaritaceum), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens), Sphaerozosma granulata, ワムシ, ミジンコ, ケンミジンコ,

途中に干上がった水たまりがあった(七宗町),09:00
1枚目:前方の水たまりへ近付く途中,岩場の上が黄緑色に染まっていた。 2〜4枚目:乾燥した糸状藻のようだ。かなり大量に増殖した後で干上がってしまったようだ。 なぜだろう?
考えられる理由:ここは南側の崖から落ちてくる水の通り道で, 最近まで雨が多かったので,長期間水が流れていた。 その間に固着性の糸状藻類が大量に増えたものの,雨量が減って水が流れなくなったため,「水路」が干上がってしまった。 一方,周囲にある水たまりは流路になっていない。蒸発で水分が失われるだけなので長期間,安定した水環境が保たれている。

飛水峡,水たまりに近付いたところで左前右をパノラマ撮影(七宗町),09:01

Part IV: 飛水峡(甌穴群散策路-2)
2012.05.13, 09:01 - 09:16