枯木沼湿原(日光市),12:10
1〜3枚目:東に向って木道を進む。
右側は乾燥しているらしく木々が目立つ(注)。
2,3枚目:右から合流する木道があるが,これが交差点から東に向った木道だと思われる。
ただし,遠くにも木道が見える(3枚目)ので,
交差点から東に向った木道は途中で分岐して湿原の南東側にも伸びているのかも知れない。
注:この木々がある場所は湿原の中央部?
というのは,3枚目の画像にあるように,乾燥地帯の先にも木道が敷設されているので,
この木々が育つ場所の周囲を湿原が取り囲んでいると推察されるからだ。
枯木沼湿原(日光市),12:11
1枚目:木道脇に水辺が広がる場所へ来た。
草の近くにはクロサンショウウオ(Hynobius nigrescens)の卵塊がたくさんある。
2枚目:ここで採集(枯木沼,中央部の木道脇-2)。
観察された生物:
アクチノフリス(Actinophrys sol),
アカントキスチス(Acanthocystis turfacea),
ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys punicea),
ポリカオス(Polychaos dubium),
ナベカムリ(
Arcella sp-1
pseudostome が十字形 初観察),
Arcella sp-2),
フセツボカムリ(
Centropyxis aculeata),
ディフルギア(
Difflugia acuminata,
D. lobostoma,
D. oblonga,
Difflugia sp.),
Lesquereusia,
ヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis),
ヘレオペラ(Heleopera silvatica),
フレンゼリナ(Frenzelina),
ユーグリファ(
Euglypha acanthophora,
E. scutigera?,
E. tuberculata,
Euglypha sp.),
トリネマ(Trinema sp.),
サイフォデリア(Cyphoderia sp.
初観察, scaleが円形で四隅が重なる),
スフェノデリア(Sphenoderia lenta),
クアドルレラ(Quadrulella sp.),
ラッパムシ(Stentor
初観察 大核1個, 細胞質は黄色),
リトノタス(Litonotus),
アスピディスカ(
Aspidisca costata,
Aspidisca sp.),
ウロトリカ(Urotricha),
クリプトファリンクス(Cryptopharynx),
プルーロネマ(Pleuronema),
珪藻各種,
エレモスフェラ(Eremosphaera viridis),
コウガイチリモ(
Pleurotaenium minutum,
P. nodosum,
P. trabecula),
ミカヅキモ(
Closterium abruptum,
C. baillyanum,
C. costatum,
C. dianae,
C. gracile,
C. intermedium,
C. rostratum,
C. striolatum?,
C. toxon,
Closterium sp.),
アルスロデスムス(
Arthrodesmus octocornis),
トゲツヅミモ(Xanthidium antilopaeum),
ホシガタモ(
Staurastrum sp.
腕4本),
ツヅミモ(
Cosmarium contractum,
C. ornatum,
C. pseudopyramidatum,
Cosmarium sp.),
イボマタモ(
Euastrum crassum,
E. gnathophorum,
E. sinuosum),
アワセオオギ(Micrasterias rotata),
ハタヒモ(Netrium digitus),
Sphaerozosma vertebratum,
チリモ(
Desmidium coarctatum,
Desmidium swartzii),
Bambusina,
ユレモ(Oscillatoria),
ワムシ,
イタチムシ,
枯木沼湿原(日光市),12:12
1〜3枚目:木道脇で咲くワタスゲ(Eriophorum vaginatum)の花。
4枚目:クロサンショウウオ(Hynobius nigrescens)の卵塊。
枯木沼湿原(日光市),12:13
1,2枚目:パノラマ撮影。
湿原の東端が近付くと水辺が大きく広がる。
枯木沼湿原(日光市),12:16-12:18
1,2枚目:湿原の東端が近付いたところで東側を向いてパノラマ撮影。
2枚目:前方に見えるのが「みはらしスキー場」。
というか現在は,エーデルワイス・スキーリゾートの枯木ペアリストとそのゲレンデ,
チャレンジコース?(360m,エーデルワイス・スキーリゾートのHPより)。
チャレンジコースの右脇にもゲレンデがある。
こちらはスマイルコース(500m)。
3枚目:
ここで採集(枯木沼,東側の木道脇)。
観察された生物:
マルウズオビムシ(Peridinium),
クリプトモナス(Cryptomonas),
小型鞭毛虫数種,
ナベカムリ(Arcella),
ディフルギア(
Difflugia elegans),
アミカムリ(
Nebela barbata,
N. collaris),
コンディロストマ(Condylostoma),
ウロトリカ(Urotricha),
ディセマトストマ(Disematostoma minor),
ヒスチオバランティウム(Histiobalantium natans),
ツリガネムシ(Vorticella),
小型繊毛虫数種,
珪藻各種,
イカダモ(
Scenedesmus circumfusus,
S. quadricauda,
S. asymmetricus or S. heimii,
Scenedesmus sp.),
エレモスフェラ(Eremosphaera viridis),
ヒザオリ2種(Mougeotia),
コウガイチリモ(
Pleurotaenium kayei,
P. nodosum,
P. trabecula),
ミカヅキモ(
Closterium baillyanum,
C. costatum,
C. cynthia,
C. dianae,
C. gracile,
C. intermedium,
C. libellula,
C. toxon,
C. ulna),
アルスロデスムス(
Arthrodesmus convergens,
A. extensus,
A. octocornis),
ホシガタモ(
Staurastrum gracile,
S. johnsonii),
ツヅミモ(
Cosmarium contractum,
C. ornatum,
C. moniliforme,
C. pachydermum,
C. quadratum,
C. quadrifarium),
トゲツヅミモ(
Xanthidium antilopaeum),
イボマタモ(
E. ansatum v. javanicum,
E. binale,
E. crassum,
E. denticulatum),
アワセオオギ(
Micrasterias ceylanica,
M. thomasiana),
ハタヒモ(Netrium digitus),
フタボシモ(Cylindrocystis crassa),
ワムシ,
ケンミジンコ,
枯木沼湿原(日光市),12:19-12:20
1,2枚目:
木道は湿原の東端近くで右にカーブするが,その近くで木道脇を撮影。
大きく広がった水辺を見ると中心部が薄い赤茶色に染まっていた。
後で分かるが,この赤茶色は,この付近の地盤の色のようだ。
周囲の草と接する付近には水垢というか腐食質がたくさん堆積しているのに,
水辺の中心部にはそれが見当たらない。
これは,おそらくこの付近の地盤から水が浸み出しているからではないかと思う。
というのは,後でもわかるように,この湿原には流入する川が見当たらないのに,
南東側には湿原から水が流れ出す水路があり,その先で沢になっているからだ。
周囲の山に降った雨(ないし雪解け水)が地面に浸み込み,それが湿原の東端付近で浸み出しているのだろう。
そして,浸み出した水が,湿原を東から西,そして南へと流れ,沢へと向って流れていくのだろう。
ただし,浸み出す量がそれほど多くないのと,それらが湿原全体に広がって流れるため,
水流は非常にゆっくりとしていて,その結果,多くの原生生物が生息できていると推察される。
枯木沼湿原(日光市),12:21
1〜4枚目:木道の東端付近から西〜北〜東をパノラマ撮影。
1枚目:歩いて来た方向(西)。
2,3枚目:北側。
4枚目:東側。左はゲレンデ(チャレンジコース)。枯木ペアリフトが見える。
既述したように,これらは枯木沼の北にあるエーデルワイススキー場の一部。
その裾野は草地になっていて木道末端から降りて歩くことができる。
最初はぬかるんでいるかと恐る恐る草地に足を降ろしたが,
水辺から少し離れた場所はかなりしっかり固まっていた。
枯木沼湿原(日光市),12:23
1〜3枚目:ゲレンデの裾野から西方向をパノラマ撮影。
1,2枚目:手前が湿原の東端部。
枯木沼湿原は東にある鶏頂山の裾野に位置するため,西側の樹林帯の先には何もない。
3枚目:その右(北)側には枯木ペアリフトの関連施設がある。
左奥にある建物は,おそらく枯木レストラン。右はリフト乗り場。
この後,
湿原の北側に流入・流出する水路等がないか確かめるため,
スキー場の施設の手前から枯木沼湿原の北岸を西へ歩くことにした。
注:最初に見た鶏頂山登拝口周辺の施設の様子から判断すると,
ここも現在は運営されていないと思われる。
枯木沼湿原(日光市),12:23-12:24
スキー場の近くの薮も湿地になっていた。そこでは
バイケイソウ(Verantrum album)が芽を出してた。
枯木沼湿原(日光市),12:24
すぐ側にある枯木ペアリフトの乗り場。
枯木沼湿原(日光市),12:24-12:25
1枚目:枯木沼の北岸に近付くと樹林帯の中の窪地に水がたまっている場所があった。
2枚目:落ち葉ばかりで原生生物はあまりいそうにないが,ひとまず
採集(枯木沼,東岸近くの水たまり)。
予想通りここには原生生物はほとんどいない。
観察された生物:
小型太陽虫,
トリネマ(Trinema sp.),
アスピディスカ(Aspidisca),
小型繊毛虫数種,
珪藻各種,
ワムシ,
ケンミジンコ,
枯木沼湿原(日光市),12:25-12:26
バイケイソウ(Verantrum album)が群生する林を通り,
沼の北岸へ近付く。
枯木沼湿原(日光市),12:28
1〜3枚目:視界が開けたところで南側を撮影。
1,2枚目:左側にさきほど歩いた木道がある。
3枚目:沼岸は笹薮になっているが,それでもなんとか通れそうだ。
枯木沼湿原(日光市),12:30-12:31
近くの沼岸で
採集(枯木沼,北東岸-1)。
ここは一応,湿原の一部なので原生生物はそれなりにいた。
しかし,湿原中央部のサンプルと比べるとやや少なめ。
観察された生物:
ペラネマ(Peranema),
マヨレラ(Mayorella),
ナベカムリ(Arcella sp.),
フセツボカムリ(
Centropyxis aculeata,
C. constricta),
ヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis),
アミカムリ(
Nebela collaris, 小型,
N. tenella),
クアドルレラ(Quadrulella symmetrica),
ユーグリファ(Euglypha sp.),
トリネマ(Trinema sp.),
Assulina,
ツリガネムシ2種(Vorticella sp.),
棘毛類繊毛虫,
マルロモナス(Mallomonas),
珪藻各種,
ミカヅキモ(
Closterium costatum,
C. gracile,
C. intermedium,
C. toxon,
C. ulna),
チリモ(
Desmidium swartzii),
ミジンコ,
イタチムシ,
枯木沼湿原(日光市),12:33
1,2枚目:沼岸の様子。
枯草がたくさんあるが,樹木のある場所は乾いていてぬかるんではいない。
Part IV: | 枯木沼湿原(北岸〜湿原入口) 2009.05.01, 12:33 - 12:56 |